法テラスで審査落ちする条件とは?審査基準と手順についてわかりやすく解説

法テラスとは、国が運営する日本司法支援センターのことです。

離婚、相続、借金など、様々な法的トラブルに遭った際に、無料で相談をすることができる窓口になっています。

また、弁護士・司法書士への依頼料を立て替えてくれる制度を利用することもできます。

利用するためには一定の要件を満たす必要があるため、審査があります。審査を受ける前に、「自分に今必要な手続きはどれか」「手続きにはどんなものがあるのか」をしっかり把握しておきましょう。

この記事では、借金に困っている人に向けて、法テラスの審査基準や、借金を整理する手続きについて分かりやすく解説します。

 

そもそも法テラスとは?

そもそも法テラスとは?

法テラス(日本司法支援センター)とは、「誰に相談していいかわからない」と悩んでいる方にむけて、必要な法的手続きの案内や、状況に応じて無料相談を受け付けている窓口です。

  • 借金のトラブル
  • 職場のトラブル
  • 離婚・男女トラブル
  • 犯罪被害
  • 相続のトラブル etc...

上記のように様々な問題に対応してくれます。経済的余裕がない人は、要件を満たせば弁護士・司法書士費用を立て替えてくれる制度を利用することが可能です。まずは自分がどういった状況にいるのか、現状を打破するためにどういった手続きが必要になるのかを相談してみましょう。

法テラスにはサポートダイヤルが設置されており、平日9時~21時まで、土曜日は9時~17時まで相談を受け付けています。

オペレーターに自身のトラブルを相談すると、トラブル解決を目指すために必要な法的手続きの情報を提供してもらえるでしょう。

また、悩みに応じて必要な窓口の紹介や、弁護士費用立て替えの具体的な案内などもしてくれます。まずは話だけでも聞いてみたい人はサポートダイヤルへ電話するのがおすすめです。

以下の要件を満たす方であれば、無料法律相談窓口を利用することも可能です。

  • 収入等が一定額以下であること
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

民事法律扶助とは、法的手続きを希望していてもお金がない、もしくは費用を賄えるほどの手持ちがない場合に、弁護士・司法書士にかかる費用を立て替えてもらえる制度のことです。

無料相談は上記2点を満たせば利用することができます。実際に費用を立て替えてもらえる民事法律扶助を受ける場合には、別の条件が追加されます。

参照:法テラス「費用を立て替えてもらいたい」

 

法テラスで弁護士費用を立て替えてもらえる制度とは

法テラスで弁護士費用を立て替えてもらえる制度とは

法テラスでは、経済的に余裕がない人に、法的手続きをするための弁護士費・司法書士費用を立て替えてくれる制度「民事法律扶助」があります。

民事法律扶助で取り扱われる案件として一番多いのは、自己破産や個人再生といった多重債務事件です。もしあなたが借金に苦しんでいるのであれば、迷わず相談をしましょう。

立て替えてもらった費用は、法テラスへ分割払いしていくという流れです。この制度を利用するためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。

民事法律扶助は、主に3つの種類に分かれます。

  • 法律相談援助(無料相談)
  • 代理援助
  • 書類作成援助

ここから詳しく解説していきます。

法律相談援助(無料相談)

トラブルに応じて、どういった手続きが必要になるのかなどを司法書士・弁護士に無料で相談できる窓口です。

民事法律扶助における無料法律相談は、1回30分が目安となっています。同じ案件に対して、ひとり3回まで無料で相談ができます。

話し始めると30分はあっという間に経過してしまうため、相談前にある程度話したい内容をまとめておくと良いでしょう。

代理援助

民事、家事、行政事件に関する手続きや、手続きに先立つ示談・交渉に必要な費用を立て替えて払ってもらえるのが「代理援助」です。

費用の種類には以下があります。

着手金 実費 報酬金
弁護士や司法書士に依頼する際に必要な費用

鑑定費用、裁判所に納付する印紙代、記録謄写料、通訳費用など

手続き開始時に支払い金額が確定する

手続き完了後に、事件結果に応じて支払うお金

手続き完了後に支払い金額が決定する

弁護士・司法書士が遠方から出張する際の交通費も、実費とは別に立て替えてくれる場合があります。

立て替えてもらった金額については、毎月原則1万円ずつの返済を法テラスに行っていく流れとなります。

書類作成援助

訴状の作成や、自己破産申告書の作成にも費用がかかります。

弁護士・司法書士に裁判所に提出する書類の作成を依頼した際、費用を立て替えてくれます。

立て替えてもらった金額については、代理援助と同じく法テラスへ依頼者本人が返済していく流れです。

民事法律扶助の審査基準や審査期間

民事法律扶助の審査基準や審査機関

民事法律扶助を受けるためには、審査に通過する必要があります。

「収入等が一定額以下であること」「勝訴の見込みがないとはいえないこと」「民事法律扶助の趣旨に適すること」と、三つの要件をクリアすれば法テラスが弁護士・司法書士費用の立て替えを行ってくれます。

審査基準は明確になっているので、審査を依頼する前に一度自分でも確認してみましょう。

 

審査基準    

法テラスでは審査基準のひとつとして資力基準を設けています。

資力基準には「収入要件」と「資産要件」があり、それぞれで金額が決められています。

収入要件

収入要件は家族構成によって異なります。
単身者 二人家族 三人家族 四人家族
182,000円
(大都市の場合200,200円)
251,000円
(大都市の場合276,000円)
272,000円
(大都市の場合299,200円)
299,000円
(大都市の場合328,900円)

夫婦間のトラブルの場合を除いて、原則家族全員の収入を合算しての計算です。

東京や名古屋などの大都市の場合は金額が変動するため、あらかじめ注意が必要です。

医療費や教育費については相当額の控除が可能です。家賃や住宅ローンの負担がある場合は、基準となる限度額の範囲内で以下の追加金額が加算されていきます。

単身者 二人家族 三人家族 四人家族
41,000円 53,000円 66,000円 71,000円

審査の際に、直近2ヶ月の給与明細や、昨年の確定申告で明確な収入を確認されます。無料相談の際に手元に準備した状態で話ができるようにしておくと、手続きもスムーズにすすめることが可能です。

(参照:法テラス「ご利用のためのしおり」

資産要件

収入要件以外にも、資産要件があります。資産要件とは、現金や預貯金があるかどうかという判断基準です。

単身者 二人家族 三人家族 四人家族
180万円 250万円 270万円 300万円

家族構成によって金額がかわります。また、相談援助(法律家による無料法律相談)では上記の金額のとおりですが、費用の立て替えを行う場合には、不動産や有価証券なども資産として計算されます。

(参照:法テラス「ご利用のためのしおり」

手続きの流れと審査期間

法テラスでの手続きは、以下の流れで進みます。

  1. 申し込み
  2. 無料法律相談
  3. 審査
  4. 扶助開始決定
  5. 事件終了

ここから掘り下げて解説します。

申し込み

まず申し込みの電話をすると、「家族構成」「収入」「現金と預貯金額」の確認が口頭で行われます。

収入要件と資産要件を満たしている場合、無料法律相談に移行します。

無料法律相談

無料法律相談では、法律家(弁護士・司法書士)に具体的なトラブルの話をします。例えば複数の借入先からの借金で苦しい場合、月々の支払いを楽にしたり、支払いの義務を無くす手続き(自己破産)など、手続きについての提案や相談を受けることができます。

相談をした後、費用の立て替え制度の利用を希望した場合には、③の審査に進みます。

審査

審査には、おおよそ2週間~3週間の時間がかかります。

必要書類を提出後、提出した順に審査が行われるため、審査を受ける人が多い場合には約1か月ほど時間がかかる場合もあります。

年末年始や祝日の続く時期にも審査が遅れる可能性があるため、余裕をもった準備が必要です。

援助開始決定

審査が終了した後、「援助開始決定」を受けると弁護士・司法書士の費用(着手金・実費)の金額が決定します。法テラスが依頼者本人に代わって費用の支払いを行い、依頼者本人は毎月1万円ずつ法テラスへ費用の返済をします。

生活保護受給者の場合などについては、立て替えてもらった費用の返済は猶予・免除されることがあります。

事件終了

全ての手続きが完了した後、法テラスの基準に基づいて弁護士・司法書士への報酬金支払い額が決定します。着手金や実費とは違い、結果に応じて報酬金の金額は変動するため、解決後の金額決定となります。

こちらも生活保護受給者などについては、立て替えてもらった費用の返済が猶予・免除されることがあります。

審査に必要な書類は?   

審査に必要な書類は?

民事法律扶助の審査時には、以下の書類提出が必要となります。

  • 直近2ヶ月の給与明細
  • 直近の課税証明
  • 確定申告書の写し(援助申込みから3ヵ月以内に発行されたもの
  • 生活保護受給証明書(直近1年分、収受印のあるもの。e-Taxの場合は受付結果(受信通知)を添付してください。
  • 直近の年金証書(通知書)の写し ※基礎年金番号の記載がないもの
すでに依頼する弁護士が決まっている場合は、弁護士に書類を渡しておけば弁護士が審査の申し込みを行ってくれます。
会社員の場合は直近の給与明細、自営業の場合は確定申告書の写し、年金受給者の場合は年金証書、生活保護受給者の場合は生活保護受給証明書、無職で収入がない場合は非課税証明書が必要になります。自身の状況に応じて収入を証明する書類は異なるので、提出前にどれを提出するべきかを確認しましょう。

 

法テラスで審査に落ちてしまう理由と対処法  

法テラスで審査に落ちてしまう理由と対処法

ここまで、法テラスの審査の基準や手続きの流れを解説していきました。

審査に申し込みができても、実際に審査に通らない人もいます。審査に落ちたという通知はきますが、具体的に何が原因で落ちたのかまでは記されていません。

ここでは審査に落ちる大まかな理由と、落ちてしまったときの対処法について詳しく説明していきます。

 

審査に落ちてしまう理由

一番大きな理由は「収入要件」を満たせていないことです。

例えば個人の収入が少なくても、配偶者や家族の収入が多いと審査に落ちます。

法テラスの審査基準は以下の通りです。

  • 年収等が一定額以下であること
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと
  • 民間法律扶助の趣旨に適すること

どれか一つでも満たせていなければ審査に落ちてしまうので、通過すると思っていた人が基準を満たせずに落ちるということはよくあります。

家族に借金を内緒にしている場合は、正直に借金について話しておくことがベストです。

審査落ちしたときの対処法

「審査に落ちたらどうしよう」と不安になりますよね。

審査に落ちてしまった場合にも、対処法はあります。

  • 民間の法律事務所へ無料相談
  • 相談時に、費用の分割払いができるか確認

民事法律扶助の審査を受ける人の多くは借金に悩む人たちです。

民間の弁護士・司法書士の事務所では、借金で生活が苦しく大変な人のために、電話相談を無料で受け付けてくれるところもあります。

また、支払いが難しい場合には、必要な費用を分割支払いできる事務所も存在しています。

加えて自身の生活状況に合わせて、家計の見直しや、借金整理についての情報も提供してくれます。

審査に落ちてしまっても悲観せずに、まずは無料相談ができる事務所に費用面を含めて相談してみましょう。

様々なアドバイスが受けられるはずです。

まとめ

まとめ

この記事のまとめ!
  • 法テラスでは弁護士・司法書士費用を立て替えてくれる制度がある
  • 立て替える制度のことを「民事法律扶助」と言い、扶助には3つの種類がある
  • 民事法律扶助を利用するには審査に通過する必要がある
  • 必ずしも審査に通過するとは限らず、落ちてしまうこともある
  • 審査に落ちてしまった場合は、無料相談窓口を設置している弁護士事務所へ相談
  • 弁護士事務所によっては費用の分割支払いに応じてくれることもある

いかがでしたでしょうか?

今回は法テラスの費用立て替え制度について、詳しく解説していきました。費用の立て替えを行う人の多くは、多重債務に苦しんでいる債権者です。

もしあなたが借金に悩んでいるのであれば、早めに専門家へ相談しましょう。

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